AIで「人員削減」を掲げる支援会社が、なぜ一社もないのか
AI活用支援を掲げる会社を35社調べて、一つも見つからなかった言葉がある。「省人化」だ。この記事では、なぜどの会社も効率化止まりで、人員削減に踏み込まないのか、その構造上の理由を解説する。
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効率化を掲げる会社は無数にある
大手コンサルティングファームのAI関連サービスから、月額数万円の「AI顧問」まで、業態を問わず調べた。多くの会社が「効率化」「生産性向上」「属人化の解消」を掲げている。中には実質的に人員代替に近い商品を持つ会社もあるが、そこでも言葉は「工数削減」「再配置」といった婉曲な表現に留まっている。
「省人化」「人員削減」「ヘッドカウント削減」を正面から掲げている会社は、調べた範囲で一社もなかった。
なぜ誰も踏み込まないのか
結論:座組みが、踏み込ませない
理由は座組みにある。なぜなら、月額顧問型のAI支援サービスは相談や伴走が中心で実行を伴わず、実行まで踏み込む大手コンサルティングファームは稼働時間や関わる人数に応じて対価を得る仕組みが多いからだ。実際、どちらの座組みでも、顧客の人を減らす提案は自分たちの売上や座組みを縮める提案になってしまう。つまり、良心の問題ではなく、収益構造の問題として誰も踏み込めない。
結論:日本市場特有の抵抗感もある
もう一つの理由は、日本市場特有の抵抗感だ。なぜなら、「人員削減」という言葉を正面に出すことは、発注企業側にもレピュテーションのリスクがあり、ベンダー側にも売りにくさがあるからだ。実際、調査した35社は軒並み「工数削減」「再配置」といった婉曲表現に留まっていた。だから誰もが「効率化」という無難な言葉に落ち着く。
価格帯にも、空白がある
座組みを見ると、もう一つの空白が見える。月額の「AI顧問」サービスは相談・伴走が中心で、月数万円から数十万円が相場。実行まで引き取る大手ファームは、非公開だが月数百万円から数千万円規模と推定される。「部門を丸ごと、実行まで引き取る」という座組みで、その中間の価格帯を狙った商品は、調べた35社の中に見当たらなかった。
特に、売上30〜100億円規模で、審査・掲載登録・カスタマーサポートといったマニュアル型のオペレーション業務を大量に抱える会社にとって、大手ファームは高すぎ、月額顧問は実行力が足りない。この規模の会社の受け皿は薄い。
まとめ
効率化を掲げる会社は無数にあるが、省人化を正面から掲げ、部門ごと実行まで引き取る会社は見当たらなかった。理由は座組みの構造にある。人を減らす提案が、提案する側自身の売上を減らす提案になってしまうからだ。
もし今、AI活用の提案が「効率化」の範囲を出ないと感じているなら、それは提案する側の座組みの限界かもしれない。
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