AX・業務改善

AI事業者ガイドラインとは?中小企業が守る利用者の7項目

目次

「うちはAI事業者ガイドラインに沿っていますか」。社長や取引先にそう聞かれたら、まず自社がAIを開発・提供・利用のどの立場で扱うかを見極めます。生成AIを業務で使う会社は、原則として「AI利用者」です。ガイドラインは非拘束的な指針ですが、利用者には本編第5部で具体的な留意点が示されています。この記事では公式資料の内容を、利用前・入力・出力・説明の4場面に分けて読み解きます。最後に、社内のAI利用ルールを1枚に書き始める手順と、公式チェックリストで見直す方法を示します。

AI事業者ガイドラインへの対応を社内で説明したい方へ

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AI事業者ガイドラインとは?総務省と経済産業省がまとめたAI活用の指針

握手を交わす二人の手元。「AI事業者ガイドラインとは」の話題のイメージ

AIを使う会社にとって、この文書は自社の立場と取組を確かめるための出発点です。まず版と性格、構成を押さえます。

2024年4月に策定、最新は2026年3月31日の第1.2版

AI事業者ガイドラインは、総務省と経済産業省の検討会で取りまとめられた文書です。総務省主導の2つのガイドラインと、経済産業省主導のガイドラインを統合・見直し、2024年4月に策定されました。総務省側は「AIネットワーク社会推進会議」、経済産業省側は「AI事業者ガイドライン検討会」が取りまとめに関わります。

2026年3月31日付の第1.2版が、この記事で扱う版です。経済産業省の掲載ページには本編と別添が並んでいます。以前の版を手元に保存している場合は、表紙の版を見てください。第1.1版からの主な更新は後半で扱います。

法的な拘束力はなく罰則もない。それでも読む理由は取引先

本編はガイドラインを「非拘束的なソフトロー」と位置づけています。ガイドライン自体は法的な拘束力を持つ規則として書かれていません。本編にガイドライン違反の罰則規定はありません。ただし、本編は個人情報保護法などの関連法令を守ることにも触れています。ガイドラインと、既存の法令は分けて見てください。

(出典:AI事業者ガイドライン第1.2版 本編)

取引先から「委託した業務や渡した情報をAIでどう扱うか」と尋ねられたら、使う業務と入力しない情報を示します。出力を誰が何と照らすかも伝えると具体的です。本編は、取組が社会から不適切または不十分と評価された場合に、事業活動で機会損失が生じ得ると述べています。

AI法との関係:法律は枠組み、ガイドラインは実務の指針

AI事業者ガイドラインの本編5部と別添の構成

本編は「人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律」が2025年6月に公布され、同年9月に全面施行されたと記しています。脚注には同法第13条に基づく「人工知能関連技術の研究開発及び活用の適正性確保に関する指針」が、2025年12月19日に決定されたことも記載されています。

一方、AI事業者ガイドラインは2024年4月に策定され、事業者が自主的に取組を進めるための考え方を示しています。法律や指針の名前が並ぶと混同しがちです。社内で説明するときは、どの文書について回答しているかを明記してください。この記事はガイドライン第1.2版の読み方を扱います。

本編は5部構成。自社が読む部分は2か所

本編の目次を、自社が探す順番に並べ直すと次のようになります。

部分 扱う内容 業務でAIを使う会社の読み方
第1部 AIや主体の定義 自社の立場を確かめる
第2部 基本理念、原則、共通の指針、AIガバナンス 全主体に共通する考えを読む
第3部 AI開発者に関する事項 開発も担う場合に読む
第4部 AI提供者に関する事項 提供も担う場合に読む
第5部 AI利用者に関する事項 利用時の留意点を読む
別添 実践に向けた資料 自社の取組を具体化するときに参照する

最初に読むのは第2部と第5部です。ただし、同じ会社が複数の立場を兼ねることもあります。提供までしている会社は第4部も確認します。別添は本編の考えを業務に移すときの資料です。

読む順番に迷ったら、まず第2部で共通の指針をつかみます。次に第5部で利用者に関する事項を読み、入力と出力の扱いを自社の業務に当てはめます。

自社はどの立場か。開発者・提供者・利用者で読む範囲が変わる

白紙のホワイトボードの前に立つ2人。「自社はどの立場か」の話題のイメージ

読む範囲は、会社の規模よりもAIを何に使っているかで決まります。まず3つの定義を確認し、自社の業務に当てはめます。

3つの主体の定義

本編が対象とするのは、事業活動でAIの開発・提供・利用を担う主体です。一般の個人が業務外で使う場合は、対象に含めていません。3つの立場は次のとおりです。

立場 本編の定義を短く言うと 読む部
AI開発者 AIシステムを開発する事業者 第2部と第3部
AI提供者 AIを組み込んだサービスを利用者などに提供する事業者 第2部と第4部
AI利用者 事業活動でAIシステムやAIサービスを利用する事業者 第2部と第5部

ここでいう「利用者」は、消費者としてサービスを使う個人と同じ意味ではありません。業務で使う事業者を指します。会社内の部門ごとに役割が異なる場合もあるため、事業や部署単位で見てください。

ChatGPTを業務で使うだけの会社は「AI利用者」

社員が生成AIで議事録を要約する。問い合わせ文の下書きを作る。社内FAQの案を出す。これらは、AIサービスを事業活動で利用する例です。自社がAIシステムを開発したり、AIを組み込んだサービスを外部へ提供したりしていなければ、まずAI利用者として第5部を確認できます。

この判定で見るのは、使う社員が何人いるかより何を顧客に提供しているかです。社内だけで使うなら利用者としての点検から始めます。取引先に説明するときも、ツール名だけを答えるより、用途と利用部署を先に整理したほうが第5部の項目に当てはめやすくなります。

AIを前提に業務を組み直す考え方は、AXとは何かを解説した記事で扱っています。

AIを組み込んだサービスを顧客に出すなら「提供者」も兼ねる

自社サイトにAIチャットを置き、顧客向けの応答に使うケースを考えます。社内でAIを使うだけの場面とは違い、AIを組み込んだサービスを外部へ提供する場面です。本編の定義に照らすと、提供者の事項も確認する必要があります。

本編は、同じ事業者が開発者・提供者・利用者の複数を兼ねる場合があると明記しています。「当社は利用者だから第4部は無関係」と一律に決めないことが大切です。まずサービスごとに、社内利用か、顧客への提供かを書き分けてください。役割が増えたら読む範囲も増えます。

全員が守る10の共通指針とは?

ノートに書き込む手元と付箋。「全員が守る10の共通指針とは」の話題のイメージ

自社の立場を決めたら、次は第2部の共通の指針です。本編は、基本理念から原則を整理し、事業者に共通する指針へつなげています。第5部の項目も、この土台に対応します。

10項目を1表で押さえる

第2部Cの見出しを、社内で意味をつかみやすい言葉に置き換えました。この表は全体の地図として使います。左列を第2部の索引として見てください。社内ルールに「公平性に配慮する」と書くだけでは、現場の動きは決まりません。気になった項目から第5部の具体的な記載へ進んでください。

共通の指針 利用担当者が考える入口
人間中心 人の尊厳や自律を損なわないか
安全性 AIの利用で危害が生じないか
公平性 入力や判断に偏りがないか
プライバシー保護 個人の情報を不適切に扱わないか
セキュリティ確保 情報とシステムを守れるか
透明性 関係者へ必要な情報を示せるか
アカウンタビリティ 役割に応じて説明や対応ができるか
教育・リテラシー 使う人がAIの性質を理解しているか
公正競争確保 公正な競争を妨げないか
イノベーション 新しい価値の創出につなげられるか

これは10の見出しの読み替えです。社内ルールには第5部の具体的な記載を使います。

利用者の実務に直結するのは6項目

第5部の個別項目に直接つながる指針は6つあります。安全性と公平性、プライバシー保護とセキュリティ確保、透明性とアカウンタビリティです。安全性は想定範囲での利用と出力確認に、公平性は入力の偏りと事業判断に結びつきます。プライバシーとセキュリティは入力する情報の線引きで現れます。

透明性とアカウンタビリティは、AIの結果を事業判断に使った後の情報提供や説明に関係します。表の10項目を一度に社内規程へ写すより、まず第5部の利用場面でこの6つを確かめるほうが、担当者は具体的な欄を書けます。

公平性と透明性:AIの出力を人の評価にそのまま使わない

採用や人事評価の参考にAIの出力を使う場合は、特に慎重な扱いが必要です。第5部は、出力を特定の個人や集団の評価の参考にする場合に、AIを使っている旨を評価対象者へ知らせるよう挙げています。さらに正確性と公正さ、透明性を担保する手続きに触れています。人間による合理的な判断も必要です。

たとえば応募者の文章をAIに要約させたなら、要約だけを見て評価を決めない。原文との食い違いを人が確かめ、評価の判断を行います。AIの出力をそのまま評価結果にしないという一線を、利用ルールに書いておくと担当者も迷いにくくなります。

AI利用者に求められる7項目

AI利用者に求められる7項目を4つの場面に分けた図

本編第5部の7つの小見出しを、主な利用場面に沿って並べます。各行は公式の1項目に対応します。適正利用は利用前だけで終わらず、入力データの適切さや出力の精度にも関わります。

主な場面 第5部の項目 実務で見ること 本編の対応箇所
利用前 安全を考慮した適正利用 想定された範囲で使い、入力データと出力の精度も見る U-2)i
利用前 提供された文書の活用及び規約の遵守 提供者の文書を保管・活用し、規約を守る U-7)ii
入力 入力データ又はプロンプトに含まれるバイアスへの配慮 データと指示文の偏りに注意する U-3)i
入力 個人情報の不適切入力及びプライバシー侵害への対策 個人情報の扱いと侵害防止を検討する U-4)i
入力 セキュリティ対策の実施 提供者の留意点を守り、機密情報の入力に注意する U-5)i
説明 関連するステークホルダーへの情報提供 出力を事業判断に使ったときの情報提供を考える U-6)i
説明 関連するステークホルダーへの説明 相手に応じた説明や問い合わせ対応を考える U-7)i

出力の精度とリスクは「適正利用」に、事業利用の判断は「バイアスへの配慮」に含まれます。以下では利用前・入力・出力・説明の順に扱います。

利用前:提供者の規約と利用上の留意点を読む

まず、そのツールを何の業務に使ってよいかを調べます。第5部は、提供者の利用上の留意点を守り、設計時に想定した範囲で使うことを挙げています。提供された文書の保管・活用と、サービス規約の遵守も求めています。社内ルールを書く前に、この2種類の資料を手元に置いてください。

たとえば「社内FAQの案を作る」と用途を決めれば、入力する資料と、公開前に読む人を決めやすくなります。提供者の文書に利用条件がある場合は、社内の運用とその条件を照らします。利用規約を読んだ担当者だけが知っている状態にせず、保管場所も決めましょう。

入力:個人情報と機密情報の境界を決める

第5部は、個人情報と機密情報を不適切に入力しないよう注意すると書いています。あらゆる情報の入力を一律に禁じる表現ではありません。社内では利用するツールと用途を踏まえ、入力してよい情報の境界を決めます。顧客名や見積金額、未公開の人事情報は境界を考える例です。個人情報をどこまで入れてよいかの確かめ方は、AIと個人情報の記事で説明しています。

入力の点検は秘密情報だけで終わりません。第5部は、正確で必要に応じて新しいデータを入力することと、データや指示文の偏りへの配慮を挙げています。要約の元資料が古い場合や、質問に一方的な前提が入る場合も見直す。入力の見直しを省くと、出力だけを見ても原因を見落とします。

出力:精度とバイアスを確かめてから使う

淡い青を背に上へ伸ばす白いロボットの手。AI利用者に求められる7項目の話題のイメージ

AIの文章が自然でも、正しいとは限りません。第5部は、想定どおりに動くかを確かめ、出力の精度とリスクを理解したうえで使うことを挙げています。偏りに留意し、出力を事業に使う判断を責任をもって行うことも示しています。

社内で決めるのは、誰が何と照らすかです。議事録の要約なら元の記録、顧客向け文章なら社内で裏づけた事実と照らす。採用など人の評価に関わる場合は、人による合理的な判断も必要です。照合した人がそのまま社外へ出してよいかまで、用途ごとに決めておくと判断が途切れません。確認の強さを用途ごとに分ける具体的な手順は、ハルシネーション対策の記事で説明しています。

説明:AIを使った判断を、社外に説明できるようにする

出力を事業判断に使ったとき、第5部は関連する関係者へ合理的な範囲で情報を提供するとしています。相手の性質に応じた平易な情報提供や、必要な説明も挙げています。ここでいう関係者には、AIの利用によって直接または間接に影響を受ける人や組織が含まれます。

すべての利用について一律に公表する話ではありません。社外に影響する判断をしたとき、どの用途でAIを使い、誰が結果を点検したかを説明できるようにします。問い合わせ窓口の設置も、本編はAIサービスの性質に応じて合理的な範囲でと書いています。まず社内の連絡先を1つ決め、提供者と連携できるようにしてください。

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7項目を社内のAI利用ルール1枚にする

社内AI利用ルール1枚の5つの欄

7項目を読んだ後は、会社の仕事に合わせて書き換えます。最初の1枚は、現場が入力前と公開前に見返せる短さを目指します。

1枚に書く5つの欄

ルールには次の5欄を作ります。第5部のどの記載を具体化した欄かも併記すると、取引先への説明で根拠を探しやすくなります。

欄 記入する内容 第5部との対応
使ってよいツールと用途 ツール名、利用部署、対象業務 U-2)i・U-7)ii
入力しない情報 個人情報や機密情報の具体例、判断に迷う場合の連絡先 U-4)i・U-5)i
出力を確認する人 用途ごとの担当者と照合する資料 U-2)i・U-3)i
利用と判断の記録 何に使い、誰が確認したかの残し方 U-6)i・U-7)iを説明するための社内案
社外からの問い合わせ先 受付担当と提供者への連絡経路 U-7)i

「記録の残し方」は第5部にそのままの見出しがあるわけではありません。関係者へ説明するための社内での実装例です。欄だけ作って終わらず、担当者名と実際の業務名まで書いてください。社員に配る文書の条文にする手順は、生成AIガイドラインを解説した記事で扱っています。

公式チェックリスト(別添7)は何に使うか

ルールを書いたら、別添7のチェックリストで抜けを確かめます。別添7Aは全主体向けで、第2部Cの共通の指針を9つの質問に要約したものです。人間中心や安全性、公平性などを自社で検討したか確かめられます。

答えに迷う問いがあれば、1枚のルールのどの欄に書くかを決めます。別添7Bは広島AIプロセスの国際指針に関するチェック項目です。両方の末尾では、経済産業省の掲載ページにExcel形式で置かれた「具体的なアプローチ検討のためのワークシート」を案内しています。別添7Aはルールの点検表になります。会社としてAIを管理する仕組み全体を整える手順は、AIガバナンスを解説した記事で扱っています。

最初の1か月は入力のルールから始める

何も決まっていない会社では、まず入力の欄を埋める進め方が現実的です。第5部には入力時の確認事項がまとまっています。個人情報と機密情報、データの正確性と指示文の偏りです。利用前の確認と出力の担当者も並行して決め、現場で迷った例を1枚に追記していきます。

たとえば最初の1か月は、部署ごとに「入力してよい資料」と「迷ったら誰に聞くか」を決める。次に出力を確認する人と、社外への説明経路を埋めます。1か月は目安で、ガイドラインが定めた期間ではありません。書けない欄を空白のまま隠さず、次に決める担当者を残してください。

ルールを決めた後の予算を考える際は、AI導入にかかる費用を解説した記事を参照してください。

外部の相談先を探す際は、AI導入コンサル会社の比較記事で選び方を確認できます。

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第1.2版で何が変わったか。利用者に関係するのは3点

ノートPCのキーボードを打つ手元。「第1.2版で何が変わったか」の話題のイメージ

手元に第1.1版がある場合は、版の差分も見ます。総務省と経済産業省の更新内容資料から、利用者の判断に関わる点を3つ取り上げます。

(出典:AI事業者ガイドラインの令和7年度更新内容)

AIエージェントとフィジカルAIの定義とリスクが加わった

更新内容資料は、AIエージェントを「特定の目標を達成するために、環境を感知し自律的に行動するAIシステム」と定義しています。フィジカルAIは、センサなどで物理環境の情報を取り込みます。AIによる処理と判断を経て、現実世界で移動や操作などをするシステムです。

利用者にとっては、AIが単に文章を返す場合と、外部システムや現実の機器を動かす場合で確認する範囲が変わります。更新内容資料は、意図しない動作や攻撃対象の増加などもリスクとして挙げています。社内でこうした仕組みを使うなら、利用用途と人の確認点を改めて洗い出してください。

主体の役割の補足と、「学習」「データ」の用語の整理

第1.2版の更新では、開発者がAIシステム構築のすべてを担うわけではないことや、モデル開発後の調整も担うことが補足されました。同じ事業者が複数の主体区分を兼ねる例も追加されています。自社のAI利用がサービス提供につながっているなら、先ほどの3主体の表に戻って確認します。

また、「学習」「推論」「データ」の表現も整理されました。本編は学習を、データを使ってAIモデルのパラメータを決定または改善するプロセスと定義しています。日常会話の「AIに資料を読ませた」と、ガイドライン上の学習を混ぜると社内の説明がずれます。使う言葉が何を指すか、文書に書く前に確かめてください。

活用の手引き(案)とチャットボットが公開された

経済産業省の第1.2版掲載ページには、「AI事業者ガイドライン活用の手引き(案)」とチャットボットへの案内も掲載されています。総務省の掲載ページも参照できます。

本文と別添を確認した後、必要に応じて掲載ページの資料一覧を見てください。手引きやチャットボットの回答内容は、ここでは扱いません。まず自社の立場と第5部の項目を把握したうえで、必要な資料を選ぶ順番が分かりやすいはずです。

AI事業者ガイドラインに関するよくある質問

書類とコーヒーカップを前に打ち合わせる人々。「AI事業者ガイドラインに関するよくある質問」の話題のイメージ

社内で説明するときに残りやすい3つの疑問を、公式資料の範囲で整理します。

Q. 中小企業や個人事業主も対象ですか

規模による除外は本編に書かれていません。対象は、事業活動でAIを開発・提供・利用する主体です。会社の従業員数だけで判定せず、事業としてどう関わるかを見ます。個人事業主も事業活動でAIを利用するなら、その利用者の定義に照らして確認してください。

一方で、本編は事業活動以外でAIを使う人を対象に含めていません。自社の社員が私用で使う場合と、業務で使う場合は分けて考えます。回答するときは「当社は何に使っているか」まで添えると、相手に範囲が伝わります。

Q. 英語版はありますか

経済産業省の第1.2版掲載ページには、英語の仮訳が掲載されています。海外の関係者へ共有する場合は、掲載ページから該当する資料を確認してください。「仮訳」である点も一緒に伝えます。

社内で判断するときは、日本語の本編のどの部・項目に当たるかを先に確認すると、英語の資料も探しやすくなります。版が混ざらないよう、共有するファイル名やリンクに第1.2版であることを添えてください。

(出典:経済産業省「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」掲載ページ meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/…)

Q. 最新版はどこで確認できますか

経済産業省の第1.2版掲載ページと、総務省の掲載ページを確認してください。この記事が扱うのは2026年3月31日付の第1.2版です。

社内ルールを見直す際は、手元のPDFだけを読み返すのではなく、掲載ページの資料一覧で版と更新日を見ます。版が変わったときに確認する担当者も、1枚のルールの余白に書いておくと引き継ぎが容易です。

まとめ

両手でコーヒーカップを包む手元。「まとめ」の話題のイメージ

AI事業者ガイドラインは、事業でAIを開発・提供・利用する主体が、自主的に取組を進めるための指針です。生成AIを業務で使う会社は、まずAI利用者として第2部と第5部を読みます。サービスとして外部へ提供しているなら、第4部も確認します。

第5部の7項目を、利用前・入力・出力・説明の4場面に沿って読みました。次は用途と入力しない情報、確認する人を書きます。記録と問い合わせ先も1枚にまとめ、別添7Aで抜けを確かめてください。社長や取引先への回答も、その1枚をもとに具体化できます。

ACCELPORT
Accelport株式会社 編集部

業務の見極めから実装の進行管理までを引き受ける「社外AX部」を提供しています。現場で得た知見をもとに記事を制作しています。

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