情シスアウトソーシングの費用相場|総額を出す7つの内訳
「情シスの外注はいくらか」を調べると、月5万円から100万円という20倍の幅が出てきます。これでは稟議書の1行が埋まりません。
提供元の公式ページで確認できた8サービスの料金を出典つきで並べ、月額の目安を3つの層で示します。総額を出す内訳は7つです。月額に初期費用・範囲外対応・改定差額を加えます。社内に残る窓口・判断・ベンダー管理の工数も金額に直します。
読み終えると、自社の台数・問い合わせ件数・対応時間を出発点に、7つの内訳で年間の総額を1枚にまとめられます。見積もり前に自社の数字を出し、回答が届いたら7つの内訳を埋めてください。

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情シスアウトソーシングの費用相場は?月額は3つの層に分かれます

情シスのアウトソーシング(外注・代行)の月額は、頼む範囲で3つの層に分かれます。1本のレンジにすると幅が80倍になり、自社がどこに当たるか分かりません。
提供元の公式ページで確認できた8サービスを並べると、次の形です。
| 層 | 月額 | 何ができるか | 社内に残る想定工数 |
|---|---|---|---|
| 軽いサポート | 1万〜5万円 | スポット相談、単発の作業 | 月20時間以上 |
| ヘルプデスク定常 | 8万〜25万円 | 問い合わせ対応の定常運用。台帳とアカウント管理 | 月10〜20時間 |
| 運用設計まで | 30万〜80万円 | 運用ルールの設計、ドキュメント整備、インフラ運用 | 月5〜10時間 |
どの層になるかは外注する範囲で決まります。範囲の決め方は情シスのアウトソーシングはどこまで?残す業務7つの基準にあります。
軽いサポートだけなら月1万〜5万円。スポット相談と単発作業が中心
いちばん下の層は月1万〜5万円です。実作業の量ではなく、聞ける相手を1つ持つことへの支払いになります。契約時間は付かないか、付いても月数時間です。
NTT西日本の「情シスおまかせコンシェルジュ」はスタンダードプランが月額10,780円から。Keep Rolling株式会社の「ちょこっと情シス」はライトが月3万円から、スタンダードが月5万円からです。
ひとり情シスの会社がこの帯を選ぶなら、日々の対応は引き続き自分で行う前提です。減るのは「誰にも聞けない」状態のほうです。
ヘルプデスクを定常で回すなら月8万〜25万円
問い合わせ対応を毎日回すなら月8万〜25万円が目安です。この帯から月の契約時間が10時間から20時間ほど付くためで、1件15分の問い合わせでも月40件なら10時間になります。
エイネット株式会社の「情シス代行パック」はスタンダードが月80,000円、プラチナが月150,000〜250,000円。台数で課金する形もあり、リップル株式会社の「トータルITヘルパー」は公式サイトでPC50台なら月額150,000円という計算例を出しています。
運用設計まで任せるなら月30万〜80万円

複数拠点がある会社や監査対応が必要な会社では、運用ルールの設計やドキュメント整備まで任せる契約が候補になります。体制を借りる形で、目安は月30万〜80万円です。
DeepApex株式会社の「情シスフォースLite」は1日4時間が月額32万円、1日8時間が月額48万円(税別)。株式会社コンピュータマネジメントの「ION」はシステム運用・保守が月600,000円からです。
上限の80万円は目安です。今回確認した8社のうち公開されている最大は月60万円からで上限が示されておらず、業務範囲によってはこれを超えることもあります。
採用と比べるときは年間の総額で並べる
採用と比べるなら年間で並べてください。
厚生労働省の令和6年賃金構造基本統計調査では、情報通信業の正社員・正職員の所定内給与額が月401,500円です。12ヶ月分で約482万円。ここに賞与と社会保険の会社負担が乗ります。
外注側は月30万円なら年360万円です。初期費用と範囲外対応、改定差額、社内に残る工数も足して比べます。どちらが安いかは台数と件数で入れ替わります。
実際にいくらで公開されている?サービス名と金額を一覧にしました

層だけでは社内資料になりません。公式ページに金額があった8サービスを、表記のまま並べます。
| サービス/提供元 | 公開されている料金 | 初期費用 | 出典 |
|---|---|---|---|
| 情シスおまかせコンシェルジュ/NTT西日本 | スタンダードプラン 月額10,780円〜(税込) | 66,000円〜 | business.ntt-west.co.jp/service/mainten… |
| ちょこっと情シス/Keep Rolling株式会社 | ライト 月3万円〜/スタンダード 月5万円〜 | 確認できず | chocotto.ne.jp/hiyo-souba.html |
| 情シス代行パック/エイネット株式会社 | ベーシック 40,000円、スタンダード 80,000円、プラチナ 150,000〜250,000円(税抜・月額) | 無料 | anets.co.jp/is |
| トータルITヘルパー/リップル株式会社 | PC1台あたり月 ヘルプデスク 2,000円〜、情シス代行 3,000円〜、プレミアム 5,000円〜 | 確認できず | ithelper.ripple-call.co.jp |
| フレクシーサポート/フレックシステムズ株式会社 | 月額 IT顧問 6万円(10時間)、ベーシック 10万円〜、プレミアム 40万円〜(90時間〜) | 5万〜10万円 | flexsy-support.com/itservice |
| 情シス365/株式会社BTNコンサルティング | 月額 IT顧問 100,000円〜(月5時間)、運用支援 120,000円〜(月10時間) | なし | josis365.com/pricing |
| 情シスフォースLite/DeepApex株式会社 | 月額 1日1時間 12万円、2時間 18万円、4時間 32万円、8時間 48万円 | 無料 | jousys-force.deepapex.com/lite |
| ION/株式会社コンピュータマネジメント | システム企画 12,500円/時間、システム運用・保守 600,000円〜/月(週3回〜) | 確認できず | cm-net.co.jp/information-system-support |
定額プランは月1万円台から。プラン名まで公開している会社は限られる
定額プランの下限は月1万円台です。株式会社Gizumoの「クラウドSE」やDXER株式会社の「シスクル」は、公式サイトで金額の記載を確認できませんでした。
候補の会社がこの表にない場合は、依頼範囲を伝えて見積もりを取ってください。範囲で金額が動くため、見積もりのほうが正確なこともあります。
同じサービスでも掲載元によって金額が違う。必ず提供元の公式ページで確認する
比較メディアの金額と提供元の公式ページの金額は、一致しないことがあります。公式ページと突き合わせたところ、3件で食い違いました。情シス代行パックのプラチナは比較メディアで月120,000円、公式では月150,000〜250,000円。情シスフォースLiteは比較メディアで月90,000円から、公式では月12万円から。フレクシーサポートも比較メディアは月1万円からで、公式の最安は月6万円です。
そのまま稟議書に転記すると、最大で6倍ずれます。社内資料に載せる数字は提供元の公式ページで取り直してください。
金額は何で決まる?課金単位が4つあり、同じ月額でも総額が変わります

同じ月10万円でも、何に対しての10万円かは会社ごとに違います。揃えないと相見積もりが比較になりません。料金表を並べると、課金単位は4つです。
- 定額プラン型:業務の範囲を決めて月額を固定する
- 台数型:PC1台あたりの単価に台数を掛ける
- 時間型:月の契約時間に時間単価を掛ける
- 頻度型:週の訪問回数や稼働日数で決める
自社の数字を当てると総額が動くのは台数型と時間型です。この2つを先に試算してください。要る数字はPC台数と月の問い合わせ件数、1件あたりの対応時間の3つです。1件30分が月40件なら20時間です。この数字を持って聞くと、返ってくるプランが揃います。
PC1台あたり課金は、台数が増えた分だけ比例して上がる
台数型は社員が増えるとそのまま金額が上がります。トータルITヘルパーはPC1台あたりヘルプデスクが2,000円から、情シス代行が3,000円から。公式サイトはPC50台の場合として、月額100,000円と150,000円の計算例を載せています。
情シスおまかせコンシェルジュも月額料金がPC台数で変動すると明記し、初期費用は機器20台まで66,000円、以降10台ごとに7,700円が加算されます。台数型を選ぶなら、来期に何台まで増えるかを先に出してください。
時間・頻度あたり課金は、問い合わせの少ない会社に向く
時間型と頻度型は、依頼の量が読める会社に向きます。使わなかった時間も払う一方で、超えた分は別料金になるためです。繁閑の差が大きいと高くつきます。
時間型では契約時間ごとの単価を見ます。情シス365は月5時間の契約で20,000円/時、月10時間で12,000円/時、IONのシステム企画は12,500円/時間です。頻度型のIONは週1回からと週3回からで金額が分かれます。常駐を求めると人件費がそのまま乗るため、リモート中心のプランとは条件を分けて比べます。
月額に含まれないのは何か?初期費用と追加料金で総額が変わります

月額の見当がついたら、契約開始時と運用中に増える費用を確認します。月額の外にある内訳は次の3つです。
- 初期費用:環境の調査と引き継ぎにかかる一時費用
- 範囲外対応:契約した範囲を超えた依頼のスポット料金
- 改定:台数や人数が増えたときの月額の見直し
初期費用は環境の棚卸しと引き継ぎで発生する
初期費用は、今の環境を調べる作業に対して発生します。引き受ける側はネットワーク構成やアカウントの持ち主を把握しないと動けず、飛ばすと問い合わせのたびに調べ直すことになります。
一覧の初期費用とは別に、調査日数による加算も確認します。情シスおまかせコンシェルジュは複数日の調査が19,800円/日です。初期費用そのものは、フレクシーサポートがIT顧問で5万円、上位2プランで10万円です。情シス代行パックと情シス365、情シスフォースLiteは無料またはなしと公式に書いています。
範囲外の依頼はスポット単価で別請求になる
契約した範囲の外を頼むと別料金です。料金表の項目に印が付いているかを見てください。フレクシーサポートのIT顧問プランは、IT相談窓口と相談会にだけ印が付き、キッティングやアカウント管理には付きません。作業用PCとVPNを用意する場合の月1万円も別記されています。
範囲外の依頼の料金は、月額には含まれません。契約前に、断られる依頼の例を3つ挙げてもらってください。
台数や人数が増えたときの改定条項を契約前に確認する
増員したときにどうなるかを、契約前に確認します。台数型は自動的に上がります。情シスおまかせコンシェルジュはPC台数で月額が変動すると書き、トータルITヘルパーは単価に台数を掛けます。
契約期間の縛りも見ます。フレクシーサポートは基本1年で、中途解約は4ヶ月目以降から1ヶ月前の申し出。情シス365は初回契約が3ヶ月からです。合わなかったときに何ヶ月払い続けるかが、ここで決まります。
外注しても社内に残る費用がある。ここを足さないと総額を外します

ここまでが外に払う金額です。残る3つの内訳は社内から出ていきません。
- 窓口と一次切り分け:社員からの相談を受けて外に渡す
- 判断と承認:何を買うか、どこまで許可するかを決める
- ベンダー管理:契約の更新、依頼の整理、定例会への出席
ここでは残った業務が月いくらぶんかを金額に直します。
窓口・判断・ベンダー管理は社内に残る。月に何時間使うかを先に数える
相談を受ける役と、決める役は社内に残ります。外部の窓口へ直接つなぐ設計でも、「これは頼んでいい話か」の判断が先に立つためです。備品の相談か障害かは、社内の事情を知らないと切り分けられません。発注者の意思決定も代行会社には渡せず、範囲の見直しや更新の判断は社内の誰かが持ちます。
1日3件・1件5分の取り次ぎでも月5時間。月次の定例会に出る時間も工数です。この時間はゼロになりません。減るだけです。
残る工数を時間単価で金額に直して、月額に足す
残った時間は、時間単価を掛けて金額にします。単価には公的な統計を使ってください。
先に挙げた月401,500円を月160時間で割ると、1時間あたり約2,500円です。社会保険の会社負担を含まないため、実際のコストはこれより上になります。下の表は、窓口に10時間、判断とベンダー管理に各5時間が残る場合の例です。
| 社内に残る業務 | 月の時間 | 金額(2,500円/時) |
|---|---|---|
| 窓口と一次切り分け | 10時間 | 25,000円 |
| 判断と承認 | 5時間 | 12,500円 |
| ベンダー管理 | 5時間 | 12,500円 |
| 合計 | 20時間 | 50,000円 |
この例なら、月10万円のプランの実質負担は初期費用を別にしても月15万円です。自社の時間に置き換えて計算してください。
見積もりが届いたらどこを見る?金額より先に確認する2点

3社から届いたら、金額欄を見る前に範囲を揃えます。同じ月15万円でも引き受ける量が倍違うためです。
対応業務と上限が業務名で書かれているか。「など」で終わっていないか
対応範囲と上限の欄を先に読みます。「ヘルプデスク業務など」で終わる見積もりは、後から解釈が割れます。キッティングとアカウント管理、IT資産管理は独立した作業です。業務名で1行ずつ書き出してもらってください。
月額に含まれる件数や時間の上限も同じです。情シス365のように契約時間ごとに単価を出す形なら、超えたときの計算が事前にできます。超過が月に何回起きたら上位プランのほうが安いかを、その場で計算してください。
安い見積もりは、範囲が狭いだけのことがある
月6万円と月15万円の見積もりが届いたら、依頼する業務が双方に含まれているかを1行ずつ照合してください。先ほどのフレクシーサポートの月6万円のプランで頼めるのは、IT相談窓口と相談会だけでした。同じ範囲で取り直すと、金額の順位が入れ替わることがあります。
情シスアウトソーシングの費用に関するよくある質問

Q. 情シスの月額費用はいくらですか
範囲で3つに分かれます。スポット相談中心なら月1万〜5万円、ヘルプデスクを定常で回すなら月8万〜25万円、運用設計まで含めるなら月30万〜80万円です。
Q. 初期費用はどのくらいかかりますか
無料の会社から10万円の会社まであります。情シスおまかせコンシェルジュは機器20台まで66,000円、フレクシーサポートは5万円または10万円。情シス代行パックと情シス365、情シスフォースLiteは無料またはなしと明記しています。
Q. 情シスと社内SE(採用)のどちらが安いですか
PC台数と問い合わせ件数で入れ替わります。厚生労働省の統計では情報通信業の正社員の所定内給与額が月401,500円で、年間では賞与と会社負担が加わります。問い合わせの件数と対応時間を年間の金額に直し、採用の年間総額と並べて判断します。
Q. 情シス業務をアウトソーシングするデメリットは何ですか
費用の面では、月額の外に3つの支出が出ることです。初期費用、範囲外の依頼のスポット料金、台数や人数が増えたときの月額改定になります。窓口と判断の工数も残ります。
Q. 契約の途中で費用が上がることはありますか
上がることがあります。原因は2つです。台数や人数の増加による改定と、範囲外の依頼のスポット請求になります。PC1台あたりで課金するサービスは、台数にそのまま比例します。
自社の台数・問い合わせ件数・対応時間を整理したら、候補3社に見積もりを依頼してください。回答が届いたら、7つの内訳を稟議用の1枚にまとめます。候補を増やすなら、公開料金のある11社を予算帯ごとに並べた情シスアウトソーシング比較11社|価格帯別の選び方7軸も使えます。
まとめ:月額ではなく、年間の総額で決める

年間の総額は、月額の12ヶ月分に初期費用と範囲外対応の年額を足し、改定差額は適用月数分を加えます。社内に残る3つの工数は時間単価で金額に直し、年間分を足します。
| # | 内訳 | 確認するもの |
|---|---|---|
| 1 | 月額 | 3つの層のどれに当たるか |
| 2 | 初期費用 | 無料か、機器台数で変動するか |
| 3 | 範囲外対応 | スポット単価と、年間に想定する依頼回数 |
| 4 | 改定 | 台数・人数が増えたときの条項 |
| 5 | 窓口工数 | 月に何時間の取り次ぎが残るか |
| 6 | 判断工数 | 承認と選定に何時間使うか |
| 7 | ベンダー管理工数 | 定例会と契約更新の時間 |
5から7は外注しても社内に残ります。時間単価2,500円で月20時間なら、月5万円相当です。ここを足さないと、外注後も社内で使う時間を含めた総額を見誤ります。
PC台数、月の問い合わせ件数、1件の対応時間を出してください。同じ条件を3社に渡せば、見積もりを比較できます。
料金は2026年9月16日時点で各提供元の公式ページにあった表記によります。比較メディア経由の金額は使っていません。賃金は厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査の概況」第6-3表(mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin…)。
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